暑い時期にエアコンをつけたら、カビのにおいがして驚いた経験はないでしょうか。賃貸住宅の場合、自己流で掃除をしたり、賃貸住宅管理会社(以下、管理会社)へ相談する前に業者へクリーニングを依頼したりすると、思わぬ問題につながることがあります。本記事では、賃貸住宅のエアコンがカビだらけだったときの対処法や、管理会社への相談方法、カビを防ぐお手入れの仕方を解説します。【目次】賃貸住宅のエアコンがカビだらけ!気付いたときに行うこと賃貸住宅でエアコンのカビを見つけても焦らず、まずは管理会社へ連絡して、現状を正確に伝えましょう。エアコンのカビが気になったら、まずは賃貸住宅管理会社に相談エアコンから嫌なニオイがする場合、内部にカビが発生しているかもしれません。放置すると咳や皮膚炎といったアレルギー症状の原因になり得るほか、エアコンの効きが落ちて電気代がかさむこともあるため、早めに手を打ちたいところです。ただし、自分で対策を始める前に、まずは管理会社へ連絡しましょう。エアコンのカビの状態をスムーズに伝えるためのポイント管理会社へ状況を正確に伝えるには、スマートフォンのカメラなどでカビの状態を撮影しておくとよいでしょう。エアコンのカビは、フィルターのほか送風ファンや熱交換器、ドレンパン(結露水の受け皿部分)にも発生することがあります。ひとつひとつ点検しながら写真を撮っていくとよいでしょう。送風口の奥にあるファン部分は暗くて見えにくいため、ライトで照らしながら撮るとわかりやすくなります。カビやニオイが気になり始めた時期を示せるよう、撮影日がわかる画像を共有するのが重要です。咳やアレルギー症状といった健康上の問題があれば、悪化する前に対応してもらえるよう、併せて伝えましょう。また、やり取りをあとから確認しやすいように、電話ではなくメールなど記録が残る方法で連絡するのもポイントです。自己判断での分解や高圧洗浄はNGカビはフィルターだけでなく、吹き出し口の奥にあるファンにも付着・発生します。ただし、ファン部分には手が届きにくく、無理に清掃すると故障のおそれがあるため、自分で対応するのは困難です。カビが気になっても、自分でエアコンを分解したり高圧洗浄を行ったりするのは危険なのでやめましょう。市販の洗浄スプレーも、誤って電装部分に吹きかけると漏電や水漏れを招くおそれがあります。無理に掃除して故障させると、修理費用を入居者が負担することになりかねません。賃貸住宅で設備トラブルが起きたら、まず管理会社へ相談するのが解決への近道です。そもそも管理会社とは何か、どのような仕事をしているのかを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。賃貸住宅のエアコンクリーニング費用は誰が負担する?ここでは、賃貸住宅のエアコンについて、業者にクリーニングを依頼する場合、その清掃費用の負担者がどのように決まるのかを解説します。入居直後のエアコンのカビは賃貸オーナーの負担引き渡し前の管理責任は賃貸オーナーにあります。そのため、入居直後にエアコンのカビが見つかった場合は、初期不良として賃貸オーナーや管理会社がクリーニング費用を負担することが多いでしょう。ただし、時間が経つと初期不良だったと証明しにくくなることから、できれば1週間以内を目安に連絡してください。エアコンを使わない時期に入居しても、一度は稼働させて、ニオイや不具合がないかを確かめておきましょう。入居後、お手入れを怠ったことによるカビは入居者負担フィルター掃除などの日常的なお手入れを怠ったことが原因でカビだらけになった場合、クリーニング費用は原則として入居者の負担になります。また、以下のような原因による汚れやカビも入居者負担となる可能性が高いため、注意が必要です。タバコのヤニ汚れペットの毛によるフィルターの目詰まり冷房・除湿運転後に内部を乾燥させなかったことで発生するカビ備え付けの場合は賃貸オーナー、持ち込みの場合は入居者負担エアコンが前の入居者の残置物というケースもあるので、まずは賃貸借契約書に記載があるかどうかを確かめてみてください。設備として備え付けられているエアコンなら、業者によるクリーニングの費用は原則、賃貸オーナーの負担です。日頃のお手入れをしたうえでの経年劣化や、普通に使っていて付いた汚れも、賃貸オーナーや管理会社の負担で対応してもらえる可能性があります。一方、前の入居者が残していった残置物なら、費用を自己負担することになるかもしれません。自分で買って取り付けたエアコンのクリーニング費用も、入居者の負担です。設備トラブルの際は賃貸住宅管理会社への相談と契約内容の確認が重要このように、エアコンのクリーニング費用を誰が負担するかは、カビが発生した原因や時期によって変わる場合があります。故障時の負担については、一般的に賃貸借契約書に記載されているので、契約時に目を通しておくと安心です。設備トラブルがあった際は自己判断せず、管理会社に相談してください。管理会社は、設備トラブルへの対応だけでなく、入居者と賃貸オーナーの間に立って住まいを管理する役割も担っています。どのような役割を果たしているのか詳しく知りたい方は、以下もご覧ください。カビが発生している古いエアコンは交換してもらえる?賃貸住宅に備え付けのエアコンは設備として扱われるため、故障などの不具合が出たときは、入居者側に原因がない限り、賃貸オーナーか管理会社が対応してくれます。エアコンの耐用年数は一般的に10年ほどとされ、設置から10年を超えた機種になると、メーカーに修理用の部品が残っていないことも珍しくありません。そのため、修理ではなく交換になるケースもありますが、本体が古いというだけの理由では交換してもらえないのが実情です。ただし、入居した時点で内部がカビだらけで、運転するとニオイが気になる、冷暖房の効きが悪いといった不具合がある場合、交換に応じてもらえるかもしれません。まずは賃貸オーナーまたは管理会社に相談してみましょう。ただし、賃貸住宅のエアコンが前の入居者が置いていった残置物である場合には、交換・修理ともに自己負担となる可能性が高くなります。詳しくは以下の記事をご覧ください。賃貸住宅の古いエアコンは交換できる?すぐ交換できないときの対処法も紹介エアコンをカビだらけにさせない!カビが発生しやすい条件と正しいお手入れ方法エアコンのカビは、そもそも発生させないことが重要です。ここでは、エアコンにカビが生えやすくなる条件と、入居者が自分でできるお手入れの方法を解説します。そもそもエアコンの内部がカビだらけになりやすい理由カビが増えやすくなる条件は、温度、湿度、ほこり・汚れの3つです。冷房や除湿の運転中は、フィルターの奥にある熱交換器に結露ができるため、エアコン内部は湿気がこもりがちになります。内部の温度は20~30度と、カビが育つのに適した環境です。そこにほこりやキッチンの油汚れが加わると、カビのエサになって増殖に拍車がかかります。水滴を受けるドレンパンや風を送り出すファンの周囲は、特に湿気が抜けにくい場所です。そのため、ほこりを寄せつけず、内部をしっかり乾かすことがカビの抑制につながります。自分でできるエアコンの正しいお手入れ方法エアコン掃除の基本は、手が届く範囲だけ行うことです。分解や洗浄スプレーの使用は故障の原因になりかねないので、無理のない範囲にとどめましょう。自分でできるお手入れの範囲や方法は次のとおりです。2週間に1回のフィルター掃除:掃除機でほこりを吸い取り、水洗い後は完全に乾かしてから戻す吹き出し口(ルーバー)の拭き掃除エアコン本体の外側の拭き掃除使用後には送風や内部クリーン機能で内部を乾燥させることも、カビの抑制のためには大事です。ファンなどの内部の汚れが気になってきたら、管理会社に相談して、専門業者への依頼を検討するとよいでしょう。賃貸オーナーが直接管理している賃貸住宅なら、賃貸オーナーへ相談してください。エアコン掃除方法については、以下の記事でも解説しています。賃貸住宅のエアコン掃除はどこまでしていい?費用負担もわかりやすく整理賃貸住宅のエアコンのカビに関するよくある質問最後に、賃貸住宅のエアコンのカビについて、よく寄せられる質問に答えます。入居したばかりなのに賃貸住宅のエアコンがカビだらけなのはなぜですか?入居したばかりの時期にエアコン内部にカビが生えている場合、前の入居者の退去後に内部のクリーニングがされていないか、清掃でもカビやニオイを取り切れなかったケースが考えられます。備え付けの設備であれば、入居後すぐに発見したエアコンのカビは、賃貸オーナーの負担でクリーニングしてもらえる可能性が高いでしょう。ただし、前の入居者が置いていった残置物の場合は、賃貸オーナーに修繕義務がありません。そのため、清掃・交換は基本的に自己負担となります。退去時にエアコンがカビだらけだった場合、原状回復費用(修繕費)がかかりますか?賃貸住宅の退去時には原状回復の義務がありますが、日常的なお手入れをしながら普通に使っていて生じた汚れや損傷の責任を問われることは、あまりありません。ただし、タバコのヤニやペットの影響、掃除を怠ったための汚れ、不注意で壊してしまった場合などは、原状回復費用(修繕費)を求められることがあります。まとめエアコンを気持ち良く使い続けるためには、自分で行える範囲でお手入れを続け、カビが発生しにくい環境を保つことが欠かせません。それでもカビを見つけたときは、自己流の方法で分解したり、急いで業者に依頼したりせず、まずは管理会社に相談しましょう。管理会社は、設備トラブルへの対応だけでなく、建物の維持管理や入居者対応なども担い、快適な暮らし心地を支えています。管理会社の仕事内容について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。v