畳はフローリングに比べてやわらかく、床に座ったり、寝転んだりしやすい点が魅力です。また、転倒時のケガのリスクを軽減してくれるため、小さな子どもや高齢者がいる家庭でも安心感のある床材といえるでしょう。一方で、湿気や汚れに注意が必要なほか、家具の跡が付きやすいなど、フローリングとは扱い方が異なる点を押さえておくことが大切です。本記事では、畳のある賃貸住宅のメリットとデメリット、和室を快適に使うためのポイントを解説します。【目次】畳のある賃貸住宅のメリット近年はフローリングの賃貸住宅が増えていますが、畳敷きの和室には洋室にはない魅力があります。ここでは、畳のある賃貸住宅を選ぶメリットを3つ紹介します。家賃が安い傾向がある畳のある賃貸住宅は築年数が経っているものも多く、フローリング中心の新しい賃貸住宅に比べて家賃が抑えられている場合があります。家賃をできるだけ抑えたい方にとって、畳のある賃貸住宅は魅力的な選択肢となるでしょう。同じエリアでも、築年数や間取り、設備などの違いによって家賃に差が出ることがあります。そのため、畳のある賃貸住宅も候補に入れて探すことで、予算に合う部屋を見つけやすくなるかもしれません。ただし、家賃の安さだけで決めるのは避けましょう。立地や設備、日当たり、収納量、生活動線なども確認し、自分の暮らし方に合っているかを見極めることが大切です。畳の機能性で快適に過ごせる畳はフローリングに比べて表面がやわらかいため、小さな子どもが遊ぶスペースや高齢者がくつろぐ場所としても使いやすいでしょう。また、い草を使用した畳であれば、湿度を調整する調湿性や熱を伝えにくい断熱性、臭いを抑える消臭性といった効能があります。自然素材ならではのリラックス効果等も期待できるため、うまく性質を活かすことで、日々の暮らしに落ち着きや心地良さを取り入れやすくなるでしょう。収納や使い方により、スペースを最大限活かせる和室は床に座ったり寝転んだりして過ごしやすく、ソファーや大きなラグを置かなくてもくつろぎの空間を作れます。家具を多く置かずに畳を活用すれば、広々とした部屋使いができるでしょう。畳のある賃貸住宅には押入れが備わっているところも多く、季節用品や布団などを収納しやすい点もメリットとして挙げられます。布団を使う場合は起床後に畳んで押入れにしまうことで、寝室として使っていた空間を日中に居住スペースとして活用できます。また、和室は寝室としてだけでなく、来客時の客間、子どもの遊び場、在宅ワークや趣味の作業スペースなど、用途に合わせて使い方を変えやすい部屋です。暮らし方に応じて柔軟に使える点は、畳のある賃貸住宅ならではの魅力といえるでしょう。畳のある賃貸住宅のデメリット畳のある賃貸住宅で快適に暮らすには、畳の扱い方やメンテナンスの手間も理解しておくことが大切です。ここでは、畳のある賃貸住宅で押さえておきたいおもなデメリットを3つ解説します。掃除やメンテナンスの手間がかかる畳のある賃貸住宅は、フローリングの部屋に比べて手入れに手間がかかる点は理解しておく必要があります。例えば、家具やカーペットを長期間畳の上に置いたままにすると、風通しが悪くなって湿気がたまり、カビやダニが発生しやすくなります。また、畳の目に沿ってほこりや細かなゴミが入り込み、掃除が大変になることもあります。飲み物をこぼした場合は、シミやにおいの原因になることがあるため、注意が必要です。湿気による畳の傷みやほこり・ゴミがたまるのを防ぐには、こまめな換気と掃除が重要です。晴れた日には窓を開けるなど風通しを良くし、定期的な清掃を心がけましょう。飲み物をこぼした際には乾いた布で早めに水分を吸い取り、固く絞った濡れタオルなどで汚れを拭き取ったあと、しっかり乾燥させることが大切です。家具やインテリアに制限が出る場合がある畳の上にベッドや大型家具を直接置くと、重みでへこんだり、表面に傷が付いたりすることがあります。また、手持ちの家具が洋風のデザインに偏っていると、和室の落ち着いた雰囲気になじみにくいと感じることもあるでしょう。畳のへこみや傷を抑えたい場合は、家具の脚の下に保護マットやフェルトを敷く、重さが一点に集中しにくい家具を選ぶといった対策が有効です。畳の特性に合わせて家具の選び方や配置を工夫すれば、和室の雰囲気を活かしながら、使いやすい空間に整えられるでしょう。退去時に原状回復費用(修繕費)が発生しやすい可能性がある畳は、家具を置いたり動かしたりした際に跡や傷が付きやすく、飲食物をこぼしたときにはシミが生じやすい床材です。使い方によっては退去時に原状回復費用(修繕費)の負担が発生することがあります。通常の生活のなかで生じる日焼けや色あせ、経年による劣化は、原則として賃貸オーナー側が負担するケースが一般的です。一方で、不注意による汚れや破損、掃除や換気を怠ったことで発生したカビなどは入居者の責任となり、原状回復費用(修繕費)の負担が生じます。また、賃貸借契約書に畳の修繕に関する特別な取り決め(以下、特約)の記載がある場合は、通常とは異なる費用負担が定められていることもあるため、契約前に確認しておくと安心です。畳の補修方法には畳表を裏返して使う「裏返し」、表面を新しくする「表替え」、畳そのものを取り換える「交換」があります。修繕範囲や畳の状態によって費用は変わるため、気になる傷や汚れがある場合は、賃貸住宅管理会社(以下、管理会社)や賃貸オーナーに相談しましょう。原状回復について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。賃貸住宅の「原状回復」とは?ガイドラインや入居者負担の範囲、注意点を解説畳のある賃貸住宅が向いている人畳のある賃貸住宅は、生活スタイルによって向き不向きが分かれます。畳のある賃貸住宅を借りる前に、自分が向いているのかを確認しておきましょう。向いている人・家賃をできるだけ抑えたい人・床に座ったり布団を敷いたりして生活したい人・和室の落ち着いた雰囲気が好きな人・換気や掃除をこまめに行える人・小さな子どもや高齢者がいる家庭不向きな人・掃除やメンテナンスに手間をかけたくない人・ダニやほこりによるアレルギーが気になる人・大型家具や重量のある家具を多く設置したい人・洋風インテリアを中心に部屋づくりをしたい人畳ならではの特徴や注意点を理解したうえで、自分の生活スタイルに合った部屋を選ぶことが大切です。畳のある賃貸住宅を有効活用する4つのコツ畳のある部屋を気持ち良く使い続けるには、傷やシミ、カビを防ぐための日頃の工夫が大切です。ここでは、畳のある賃貸住宅を上手に使うためのコツを紹介します。湿気・傷対策を行う畳は湿気を吸いやすい性質があるため、カビやダニを防ぐにはこまめな換気が欠かせません。天気の良い日は窓を開け、部屋の空気を入れ替えましょう。梅雨や結露が気になる時期は、サーキュレーターや除湿機、エアコンの除湿機能を活用するのも効果的です。また、家具を置く場所や人がよく歩く場所には、ジョイントマットやコルクマット、防振マット、ラグなどを敷くと、へこみや傷を防ぎやすくなります。ただし、マットやラグを敷きっぱなしにすると、畳との間に湿気がこもり、カビが発生する原因になります。そのため、定期的にマットやラグをめくって風を通し、畳を乾かす時間を作りましょう。こまめに掃除する畳をきれいに保つには、日頃からこまめに掃除をすることが大切です。まずは掃除機やほうきを使い、畳の表面にたまったゴミやほこりを取り除きましょう。掃除機は、畳の目の向きに合わせてゆっくりとかけることがポイントです。目に逆らって動かしたり、吸引ヘッドを強く押し付けたりすると、畳の表面を傷めてしまいます。1列ずつ丁寧に掃除しましょう。汚れが気になる場合は、固く絞った濡れ雑巾で軽く拭き、そのあとに乾いた布で水分を拭き取ります。畳は水分を含みやすいため、濡れた状態のままにしないことがポイントです。水拭きのあとは窓を開けたり、サーキュレーターを使ったりして乾かしましょう。原状回復について確認しておく畳のある賃貸住宅に入居する際は賃貸借契約書にしっかり目を通し、畳に関する特約がないかをチェックしておきましょう。契約内容は賃貸住宅ごとに異なるため、不動産会社を通じて管理会社や賃貸オーナーに確認しておくことが大切です。畳にシミや傷、カビなどの気になる症状が出た場合は自己判断で対処せず、管理会社や賃貸オーナーに相談しましょう。畳の状態や原因によって、入居者と賃貸オーナーのどちらが費用を負担するかが変わる場合があります。あらかじめ原状回復の範囲や費用負担の考え方を把握しておけば、退去時の予期しない費用負担を避けやすくなります。畳にフローリングマットやジョイントマットを敷くのも一手実際に住んでみて和室が使いにくいと感じる場合は、畳の上にフローリングマットやジョイントマットを敷く方法もあります。床の雰囲気を変えられるだけでなく、家具の跡や生活による傷を防ぎやすくなるため、畳を保護したいときにも有効です。マットを敷く際は、畳との間に防カビシートや防湿シートを挟むと、湿気対策につながります。ただし、防カビシートや防湿シートを敷いたからといって、カビを完全に防げるわけではありません。畳とマットの間に湿気がこもるとカビが発生する原因となるため、定期的にマットをめくって換気し、畳を乾燥させることが大切です。また、重い家具を同じ場所に長期間置くと、マットの上からでも畳にへこみが残る場合があります。家具を置く場所には保護マットを併用するなど、畳に負担をかけにくい工夫をしましょう。賃貸住宅の畳に関するよくある質問ここでは、賃貸住宅の畳についてよくある質問にお答えします。Q.畳が傷んだときの対処法は?畳に浅いへこみや軽い汚れがある程度であれば、状態によっては日頃のお手入れで目立ちにくくできる場合があります。例えば、家具の重みでできた浅いへこみは、固く絞った濡れタオルを置いて湿らせ、その上からアイロンを当てて乾かすと、い草が吸収した水分が膨張して目立ちにくくなります。なお、アイロンは必ずタオルの上から当て、畳に直接触れないようにしてください。また、畳には、い草以外に樹脂やビニールなどの素材を使用したものもあるため、アイロンを使用する前に畳の素材を確認しましょう。高温設定のアイロンを長時間当てると畳が焦げる原因となるため、注意が必要です。一方で、ささくれが広がっている、傷みが進んでいる、カビが発生しているといった場合は、自己判断で修繕せず、管理会社や賃貸オーナーに相談してください。むやみに薬剤を使ったり、補修したりすると、かえって状態を悪化させる可能性があります。Q.和室にインテリアを置くときのコツは?和室に家具を置く際は、畳への負担を抑えるために数を増やしすぎないことが大切です。インテリアは、木や竹、和紙といった自然素材でできたものを取り入れると、和室の雰囲気になじみやすくなります。また、背の低い家具を選ぶと天井までの余白が生まれ、部屋を広く見せやすくなります。和風の家具や古道具を取り入れるのも、和室らしさを引き立てる方法の一つです。まとめ畳のある賃貸住宅には、床に座ったり寝転んだりしてくつろぎやすい、布団を押入れに収納すれば部屋を広く使いやすいなどのメリットがあります。一方で、畳は湿気や汚れ、家具によるへこみに注意が必要な床材です。カビや傷みを防ぐには、定期的な掃除や換気を習慣にし、マットや家具を置く場合も湿気がこもらないように工夫することが大切です。また、契約前に賃貸借契約書で原状回復の範囲や修繕費の負担についても確認しておけば、和室の心地良さを感じながら、安心して暮らせるようになります。v