賃貸住宅で暮らしていると、車や電車の走行音、通行人の話し声など、外から入ってくる音が気になり、ストレスを感じることもあるでしょう。反対に、自分の部屋での会話やテレビの音などが外へ漏れていないか、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。窓は、壁や床に比べて音が伝わりやすい場所です。賃貸住宅で音が気になる場合は、窓まわりの防音対策を始めてみましょう。本記事では、賃貸住宅でも取り入れやすい窓の防音対策、騒音が発生する原因や防音対策を進めるときの注意点を紹介します。【目次】賃貸住宅に適した窓の防音対策5選賃貸住宅では、窓の交換や壁の工事など、大がかりな防音工事を自由に行うことはできません。しかし、原状回復できる範囲であれば、窓まわりに防音対策を講じることは可能です。ここでは、賃貸住宅でも実践しやすい窓の防音対策を5つ紹介します。それぞれの対策方法と使い方、防音効果の目安、設置のしやすさを一覧にまとめました。対策方法使い方防音スコア設置の難しさ隙間テープ窓のサッシや枠の隙間を埋める★★☆☆☆易窓用防音シート窓ガラスの内側に貼り付ける★★★☆☆中防音カーテン既存のカーテンレールに取り付ける★★★☆☆易窓用防音ボード窓枠にはめ込む★★★★☆中~高内窓(二重窓)既存の窓の内側にもう1枚窓を設ける★★★★★高窓以外も含めた防音対策を知りたい方は、次の記事もご覧ください。賃貸住宅で防音対策をするには?原状回復できる方法や騒音を防ぐポイントを解説隙間テープを貼る隙間テープは、窓のサッシや枠にできた隙間をふさぐためのアイテムです。窓の隙間から音が出入りするのを抑えられるため、外からの騒音対策だけでなく、室内の音漏れを軽減する効果が期待できます。隙間風や虫の侵入を防ぎやすくなる点もメリットです。隙間テープは素材や幅、厚みの種類が豊富にあり、窓の形状や隙間の大きさに合わせて選べます。ホームセンターやインターネット通販では数百円程度から購入できるため、賃貸住宅でも試しやすい防音対策といえます。ただし、賃貸住宅で使う場合は、原状回復のしやすさを踏まえて商品を選ぶことが大切です。再剥離タイプの隙間テープを選べば比較的剥がしやすいものの、長期間貼ったままにすると糊が残ることがあるため、注意が必要です。また、隙間テープだけでは大きな防音効果を得るのは難しいため、防音シートや防音カーテンを取り入れるなど、ほかの対策と組み合わせて使うとよいでしょう。窓用防音シートを貼る窓用防音シートは、窓ガラスの内側に貼って使うアイテムです。外からの音を遮りつつ、窓の振動による音も軽減できるなど、手軽に防音効果を感じやすいのが魅力です。透明や半透明タイプを選べば、部屋の明るさを保ちながら窓まわりの防音対策ができます。一方で、窓用防音シートはすべての窓に貼れるわけではありません。賃貸住宅の窓が網入りガラスや複層ガラス、二重窓の場合、防音シートを貼るとガラスとシートの間に熱がこもり、周辺部との間に温度差が生じて熱割れが起こるリスクが高まります。そのため、防音シートを貼る前に、製品の注意書きで対応している窓ガラスの種類を確認しましょう。また、賃貸住宅で使用する場合はきれいに剥がせるかどうかも重要なポイントです。窓ガラスに跡が残ると退去時の原状回復に影響するおそれがあるため、剥がしやすい再剥離タイプを選ぶと安心です。ただし隙間テープと同様、長期間貼っていると糊が残る可能性があるため、定期的に貼り替えましょう。作業するときは窓ガラスの汚れや水分をしっかり拭き取り、晴れた日など湿度の低いタイミングで貼るときれいに仕上げやすくなります。防音カーテンを取り付ける防音カーテンは、特殊な素材や織り方で防音性を高めた厚手のカーテンです。音を遮る働きと音を吸収する機能を併せ持つため、外からの騒音と室内からの音漏れ対策の両方に効果的です。既存のカーテンを外し、カーテンレールにかけ替えるだけで使えるため、賃貸住宅でも手軽に取り入れられます。デザインや色の種類も多く、遮光性や断熱性を備えた商品を選べば、日差し対策や冷暖房効率の向上にもつながります。防音効果をより高めたい場合は、窓よりも一回り大きいサイズを選び、窓枠全体をしっかり覆うことが大切です。ただし、子どもの泣き声や楽器の音といった中高音域の音には効果を感じやすい一方、車のアイドリング音や振動をともなう電車の走行音など低音域の音は軽減しにくい傾向にあります。窓用防音ボードをはめ込む窓用防音ボードは、窓枠にはめ込んで使う板状のアイテムです。窓まわりを内側から覆うことで音の通り道を物理的に遮断するため、高い防音効果が期待できます。工事不要で取り付け・取り外しができるため、賃貸住宅でも導入しやすい防音対策です。設置中は窓全体をふさぐ形になるため、窓からの光や風を採り込みにくくなりますが、外の騒音が気になる時間帯や、勉強・睡眠に集中したいときにだけ取り付けるといった使い方も可能です。ただし、防音効果を高めるには窓枠に合ったサイズを選ぶことが欠かせません。オーダーメイド品なら窓枠の寸法に合わせやすい一方で、相応のコストがかかる点がデメリットです。賃貸住宅で窓用防音ボードを使う場合は、窓枠や壁を傷付けずに設置できるかも事前に確認しておきましょう。内窓(二重窓)を設置する内窓は、既存の窓の内側にもう1枚窓を取り付けて二重にする方法です。窓と窓の間に空気層ができることで、外から入る音や室内から漏れる音を抑えやすくなります。また、断熱性が高まり、冷暖房効率の向上や結露の抑制といった副次的な効果も期待できます。賃貸住宅でも、ホームセンターなどに売っているDIYキットを利用し、ポリカーボネート板やプラスチックダンボール製の簡易的な二重窓を作ることは可能です。ただし、窓枠に穴を開けるなどの加工をすると退去時の原状回復の対象になるため、作業前に賃貸住宅管理会社(以下、管理会社)や賃貸オーナーへ確認しましょう。【賃貸住宅】窓の防音対策における基礎知識窓の防音対策を考えるときは、音の伝わり方を理解しておくと、自分の状況に合った方法を選びやすくなります。ここでは、騒音の種類と防音の仕組みについて解説します。騒音の種類騒音は、音の伝わり方によって大きく「空気音」と「固体音」の2種類に分けられます。空気音:空気を伝わって届く音。会話の声やテレビ・音楽の音、車や電車の走行音など固体音:物体が振動することで伝わる音。足音やドアの開閉音、家電製品使用時の振動音などこのうち、窓から出入りしやすいのはおもに空気音です。防音のメカニズム防音とは、音の出入りを防ぐための対策全般を指す言葉です。具体的な防音対策には、音を跳ね返して遮断する「遮音」と、音のエネルギーを吸収して反射を防ぐ「吸音」の2つがあります。窓の防音対策では、空気音に対するアプローチが重要です。外から聞こえる話し声や車の走行音などが気になる場合、また室内の会話やテレビの音漏れなどが心配な場合は、室内の気密性を高めて空気の通り道をふさぐ対策が有効です。具体的には、窓まわりの隙間をテープでふさぐ、窓用防音シートや防音カーテンで窓ガラス面を覆うなどの対策を講じるとよいでしょう。賃貸住宅で窓の防音対策を講じるときの注意点賃貸住宅には退去時の原状回復義務があるため、窓の防音対策ももとの状態に戻せることを前提に進めましょう。例えば、窓枠に穴を開けたり、許可なく窓ガラスを交換したりすると、あとから修繕費を負担することになりかねません。強力なテープや接着剤で防音アイテムを取り付けると剥がすときに窓ガラスや窓枠に跡が残るおそれがあります。防音アイテムは、再剥離タイプや跡が残らないとの記載がある製品を選ぶと原状回復しやすくなります。ただし、使用環境や貼っている期間によっては剥がしたあとに糊残りや変色が生じることもあるため、注意しましょう。窓の防音対策をどこまで行ってよいのか迷う場合は自己判断で進めず、管理会社へ問い合わせて事前に確認することが大切です。賃貸オーナーが直接管理している賃貸住宅であれば、賃貸オーナーへ連絡しましょう。賃貸住宅の窓の防音対策に関するよくある質問ここからは、賃貸住宅の窓の防音対策について、よく寄せられる質問にお答えします。窓の防音対策で軽減できる音の大きさは?防音アイテムごとに期待できる効果の目安は、以下のとおりです。アイテム軽減できる音の大きさ(目安)隙間テープ約1~2dB窓用防音シート約12~33dB防音カーテン約5~10dB窓用防音ボード約20dB内窓(二重窓)約40dB防音対策で軽減できる音の大きさは窓の状態や使用環境、騒音の種類によって変わるため、一概にはいえません。あくまでも参考程度にとらえ、悩んでいる音の種類や窓の状態に合わせて適切な防音アイテムを選びましょう。窓に気泡緩衝材やダンボールを貼るのは防音対策になる?窓に気泡緩衝材やダンボールを貼っても、防音対策として大きな効果は期待できません。プチプチをはじめとする気泡緩衝材は断熱材として使われることはありますが、遮音性能はありません。窓に貼っても、外からの騒音や室内からの音漏れを抑えるのは難しいでしょう。ダンボールには音を吸収する性質はあるものの、遮音性はないため、窓の防音対策には向いていません。窓の防音対策をしても音が気になる場合はどうする?窓まわりの防音対策を講じても音が気になる場合、給気口(換気口)やドアの隙間、壁など、窓以外の場所から音が入り込んでいる可能性もあります。たとえば給気口からの騒音であれば、防音スリーブや自然給気用のサイレンサーを設置する対策方法もあります。また、音の伝わり方が賃貸住宅の建物の構造による場合は、個人の対策だけでは解決が難しいこともあるでしょう。どうしても気になる音がある場合には、管理会社や賃貸オーナーに相談してみてください。まとめ賃貸住宅の窓を防音したいときは、まず隙間テープや防音カーテンなど、手軽に取り入れやすい方法から試してみるのがおすすめです。効果が物足りないと感じる場合は、窓用防音シートや防音ボードなども検討するとよいでしょう。ただし、賃貸住宅の窓に防音対策を講じる際は、退去時の原状回復を踏まえたうえで防音アイテムを選ぶことが大切です。判断に迷う場合は自己判断で進めず、まずは管理会社や賃貸オーナーに相談しましょう。また、騒音が発生しやすい構造の建物の場合、個人の対策では望む防音効果が得られない場合も考えられます。集合住宅では、自分が外からの音に悩むこともあれば、気付かないうちに自分の生活音が周囲へ届いていることもあります。お互いに配慮する気持ちを持ちながら、無理のない範囲で防音対策を講じていきましょう。v