玄関ドアに隙間があると、外気が入り込んで室内が寒くなったり暑くなったりするだけでなく、虫の侵入や音漏れが気になることがあります。防犯面の不安につながることもあるでしょう。しかし、賃貸住宅では入居者の判断で玄関ドアの修理・交換はできません。そのため、どう対処すればよいのかがわからず悩んでいる方や「すきま風が入ってくる」「音漏れが気になる」など、玄関ドアに違和感を覚えている方も多いのではないでしょうか。玄関ドアの隙間対策を行う際は、まず隙間ができている原因を確認し、原状回復できる範囲で対処することが大切です。本記事では、玄関ドアに隙間ができるおもな原因と、賃貸住宅でも試しやすい対策を紹介します。【目次】玄関ドアに隙間ができる原因まずは、玄関ドアに隙間ができるおもな原因を確認しておきましょう。原因を把握しておくと、どのような対策を講じればよいのか判断しやすくなります。新築時やリフォーム時の取り付け不良新築直後やリフォーム後すぐに玄関ドアに隙間ができている場合、施工段階でドアがうまく取り付けられていない可能性があります。玄関ドア本体やドア枠の水平・垂直がわずかにずれているだけでも、上下左右に不自然な隙間ができることがあります。そのまま使い続けると隙間が少しずつ広がっていき、開閉しにくくなったり、隙間風や虫の侵入などに悩まされたりしかねません。玄関ドアの隙間に気付いた時点で、すぐに賃貸住宅管理会社(以下、管理会社)へ連絡することが大切です。賃貸オーナーが直接管理している賃貸住宅であれば、賃貸オーナーへ連絡しましょう。経年劣化によるドア枠の変形築年数が経つにつれ、玄関ドアやドア枠は少しずつ劣化・変形していきます。温度や湿度の変化、毎日の開閉による負荷などがおもな原因です。特に、木製やアルミ製の枠は気温の変化の影響を受けやすく、膨張と収縮を繰り返すうちにゆがみが出ることがあります。また、玄関ドア本体の重みでドア枠が徐々にたわんでくるケースも少なくありません。こうした変化は少しずつ進むため、すぐには気付きにくいものです。しかし、徐々にゆがみやたわみが生じることで玄関ドアがドア枠に合わなくなり、やがて隙間が目立つようになります。パッキンの劣化による密着不足玄関ドアの縁に取り付けられているゴム製のパッキンは、隙間をふさぐ役割を担う重要な部材です。しかし、パッキンは10年前後を目安に劣化します。パッキンが硬くなったり、縮んだり、ひび割れたりすると玄関ドアとドア枠の密着性が下がって隙間ができ、外気や虫が入り込みやすくなります。パッキンの劣化が疑われる場合は、自分で交換しようとせずにまず管理会社へ相談しましょう。賃貸オーナーが直接管理している場合は、賃貸オーナーへ連絡してください。玄関ドアの隙間を放置するとどうなる?玄関ドアの隙間をそのままにしておくと、暮らしのさまざまな場面で不便を感じやすくなります。ここでは、玄関ドアの隙間を放置した場合に起こりやすい問題を解説します。冷暖房効率が大きく低下する玄関ドアに隙間があると、外気が室内へ入り込みやすくなります。夏は熱気、冬は冷気が入りやすくなるため、冷暖房効率が悪くなりがちです。その結果、電気代がかさむ原因になりかねません。砂・ほこりが侵入して掃除の手間が増える外から砂やほこりが風と一緒に入り込みやすくなることも、玄関ドアの隙間を放置して生じる問題の一つです。特に風の強い日や道路に面した賃貸住宅では、砂ぼこりの影響で玄関や廊下の床がザラつきやすくなることがあります。玄関ドアの隙間をそのままにしておくと掃除の頻度が増え、ストレスを感じやすくなります。虫が侵入しやすくなる玄関ドアの隙間は、虫にとって格好の侵入口です。例えば、ゴキブリやムカデなどはわずか数ミリ程度の隙間があれば入り込めるといわれています。夏には蚊やコバエが侵入し、不快な思いをすることもあるかもしれません。賃貸住宅でできる虫対策は以下の記事で解説しているので、虫の侵入に悩まされている方はぜひ参考にしてください。賃貸住宅での虫対策!虫の侵入経路や虫が出にくい条件を解説!防犯性が低下し、空き巣被害のリスクが上がる玄関ドアに大きな隙間がある場合、防犯性が低下する可能性もあります。空巣がドアの隙間に器具をねじ込んでこじ開ける「ドア錠破り」を行いやすい場合や、隙間から室内の様子を確認し、不審者が不在時に居室に侵入することも考えられるでしょう。防音性が低下する玄関ドアの隙間は、外の音が室内に入る原因にもなります。隙間がなく、気密性が高い玄関ドアには遮音効果があり、外の音が聞こえにくくなるだけでなく、外に生活音が漏れるのを軽減できます。しかし、玄関ドアに隙間が生じると気密性が低下し、道路を走る車の音や通行人の話し声などが室内に響きやすくなりかねません。状況によっては騒音をめぐる問題に発展するおそれがあるため、注意が必要です。外からの音が気になる方や、室内の生活音が漏れていないか不安な方は、防音対策も検討してみてください。賃貸住宅で原状回復しやすい防音対策は、以下の記事で紹介しています。賃貸住宅で防音対策をするには?原状回復できる方法や騒音を防ぐポイントを解説賃貸住宅でもできる!玄関ドアの隙間を埋めるなどの方法3選賃貸住宅では、自分の判断で玄関ドアを交換するなどの大がかりな工事はできません。そのため、玄関ドアの隙間問題を解決する際には、退去時に元の状態へ戻せるかどうかを意識することが大切です。ここでは、賃貸住宅でも試しやすい玄関ドアの隙間対策を3つ紹介します。隙間テープで隙間をふさぐ賃貸住宅の玄関ドアの隙間対策として取り入れやすいのが、隙間テープを貼る方法です。隙間テープは100円ショップやホームセンターなどで購入でき、玄関ドアの隙間部分に貼るだけで外気や砂ぼこり、虫の侵入を軽減できます。隙間テープには以下のような種類があり、用途に合わせて選べます。ゴム・シリコン系テープ:弾力があり、大きめの隙間にも対応しやすいモヘアテープ:細かい毛で密着性が高く、ほこりや虫の侵入を防ぐだけでなく、音の軽減も可能賃貸住宅では退去時に原状回復が求められるため、テープ跡が残らないタイプかどうか、パッケージや説明書で確認しておくと安心です。また、目立たない場所で試し貼りをして、きれいに剥がせるかどうかを確認してから使うことをおすすめします。剥がせるタイプの隙間テープでも、長期間貼っていると糊跡が残ったり、ドア枠を傷めたりすることがあります。そのため、玄関ドアの隙間が気になる場合は自分で対処する前に、まずは管理会社か賃貸オーナーに相談しましょう。原状回復について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。賃貸住宅の「原状回復」とは?ガイドラインや入居者負担の範囲、注意点を解説隙間ガード(ドラフトストッパー)を使う玄関ドアの下にできた隙間が気になる場合は、隙間ガードが役立ちます。玄関ドア下に設置するだけで隙間風や砂ぼこり、虫の侵入を物理的にさえぎれます。また、隙間ガードは床に置くだけのタイプや差し込んで使うタイプが多いため、テープ跡が残らず、原状回復も簡単です。必要なときだけ設置できるため、冬場の寒さ対策や虫が気になる時期の一時的な対策としても有効です。玄関内側にカーテンを取り付ける冬場の冷気が気になる場合は、玄関の内側に厚手のカーテンを取り付ける方法もあります。玄関ドア全体を覆うように吊るすと、隙間風が室内に入り込むのを軽減できます。突っ張り棒を使えば壁やドア枠に穴を開けずにカーテンを取り付けられるため、賃貸住宅でも試しやすい方法です。ただし、突っ張り棒を強く固定しすぎると壁紙やドア枠に跡が残ることがあります。そのため、突っ張り棒を設置する際は保護パッドを挟む、耐荷重を確認する、長期間設置しないなど、壁紙やドア枠に跡が残らないように配慮しましょう。玄関ドアの隙間を埋める方法に関するよくある質問ここからは、賃貸住宅の玄関ドアの隙間対策について、よくある質問を紹介します。玄関ドアの隙間対策は自己判断で行ってもいい?賃貸住宅では、自己判断で玄関ドアの隙間を埋める前に、必ず管理会社や賃貸オーナーに相談してみてください。ドアの状態や破損の原因によっては、賃貸オーナーの負担で修繕や交換などの対応を進めてもらえる場合があります。そのうえで、玄関ドアの修理までに時間がかかりそうな場合は、隙間テープやドラフトストッパーなど、原状回復しやすい簡易的な対策を試してよいか確認しましょう。事前に相談しておけば、退去時の行き違いを防ぎやすくなります。経年劣化によるパッキン不良の場合、賃貸オーナーの負担で交換してもらえる?パッキンの劣化が原因で玄関ドアに隙間が生じている場合は、賃貸オーナー側の負担で修繕してもらえる可能性が高くなります。パッキンの破損は経年劣化や自然損耗にあたり、国土交通省のガイドラインでも原則として賃貸オーナーの負担とされています。ただし、自分で勝手にパッキンを交換するのは避けてください。パッキンの劣化が疑われる場合、まずは管理会社に相談しましょう。賃貸オーナーが直接管理している場合は、賃貸オーナーへ相談します。その際、「玄関ドアを閉めても隙間風が入る」「パッキンがひび割れている」など具体的な状況を伝えると、対応してもらいやすくなります。玄関ドアを交換することになった場合、費用は誰が負担する?玄関ドアを交換する場合、費用を誰が負担するかは破損の原因によって異なります。長年の使用による自然な劣化や、通常の使い方をしていたにも関わらず発生した不具合であれば、賃貸オーナーが交換費用を負担するケースが一般的です。一方で、入居者の故意や過失によって玄関ドアを壊してしまった場合、交換費用は入居者負担となる可能性が高くなります。まとめ玄関ドアの隙間は、冷暖房効率の低下や砂ぼこり・虫の侵入、防犯性の低下など、暮らしの質に大きく関わってきます。玄関ドアに隙間ができる原因は施工不良や経年劣化、パッキンの傷みなどさまざまです。ただし、自己判断で対処するのは避けましょう。まずは管理会社に連絡し、対応を仰ぐことが大切です。賃貸オーナーが直接管理している場合は、賃貸オーナーへ連絡しましょう。そのうえで、隙間テープや隙間ガード、玄関内側のカーテンなど、原状回復しやすい簡易的な対策を取り入れ、快適で安心できる玄関に整えましょう。v