賃貸住宅で突然換気扇が故障した場合、どうすればいいか対応に迷ってしまう方は少なくないでしょう。特に、修理費用の負担や管理会社・オーナーへの連絡方法などは、押さえておきたいところです。換気扇の故障を放置すると、室内の空気環境が悪化してカビが発生し、健康面に悪影響をおよぼすおそれがあります。そのため、故障した際はできるだけ早期に対応することが大切です。本記事では、換気扇故障の原因や症状、段階的な対処方法、費用負担の仕組みなどを詳しく解説します。トラブル発生時に慌てることなく、的確な判断と行動ができるよう、ぜひ最後までお読みください。【目次】賃貸住宅の換気扇が故障する原因とは?換気扇の故障を解決するためには、まず原因を正しく理解することが大切です。おもな故障原因には、以下が挙げられます。換気扇本体の経年劣化モーターや電気回線などの寿命によって、故障する場合があります。一般的に、換気扇の耐久年数は10年ほどとされていますが、7年以上の使用で不具合が発生することが少なくありません。電気回線の不良換気扇に水がかかって電気回線がショートしたり、コンセントが抜けかけていて接触不良になったりします。コンセントの接触不良の場合は、抜き差しすることで解決する場合が多くあります。油汚れやホコリの蓄積油汚れやホコリが蓄積すると、汚れの重みによってファンの回転バランスが崩れてしまいます。それによって、モーターの軸に負荷がかかり、変形や破損につながって最終的に換気扇が動かなくなります。サビの発生浴室のように湿度の高い場所にある換気扇は、金属部分にサビが発生して故障することが少なくありません。進行すると換気扇の内部までサビが進行してしまいます。換気扇の設置場所別の故障原因換気扇の設置場所別の故障原因も押さえておきましょう。<キッチン>キッチンでは、調理時に発生する油煙(水蒸気と油が混ざった湯気)が換気扇のフィルターに付着して目詰まりを起こすことがあります。さらに、油煙に空気中のホコリが付着すると、除去が困難な汚れになるため、早期の対応が肝心です。<浴室>前述のように、浴室は湿度が高い環境にあるため、換気扇にサビが発生することが考えられます。掃除せずに使い続けていると、ファンやモーターにホコリも溜まってしまいます。<トイレ>トイレでは、ホコリの蓄積によって換気扇が故障することが多いでしょう。換気扇のファンにホコリが蓄積すると、空気の吸い込みが弱まったり、異音が発生したりします。賃貸住宅の換気扇が故障する前に見られる予兆換気扇の不調は汚れの蓄積などによって徐々に進行するため、故障する前にはいくつかの症状が予兆として現れます。早期発見によって簡単に対処できるケースもあるので、どのような症状が見られるか押さえておきましょう。異音や異臭、動作不良が起こる換気扇から発生する異音は、不調の種類を判断する重要な手がかりです。例えば「キュルキュル」という音はモーター軸の潤滑油不足、「カタカタ」という音はモーターの破損や軸のずれ・変形、「ブーン」という音はファンに汚れが蓄積していることが考えられます。換気扇の異臭も見逃せないサインです。焼けたようなニオイは電気系統の異常、酸っぱいニオイは油汚れの蓄積、カビ臭いニオイは換気扇周辺のカビの発生が考えられます。動作不良としては、ファンの回転が不規則・遅い、電源コードに触ると換気扇が止まる、といった症状が現れます。いつもと違う振動や回転の不安定さを感じた場合は、故障の予兆として注意深く観察してみましょう。換気扇の性能が低下する換気扇の回転音は聞こえるものの、あまり換気効果を感じない場合は、性能低下が進行している可能性があります。性能の簡易的なチェック方法としておすすめなのが、ティッシュペーパーを使ったチェックです。ティッシュペーパー1枚を換気扇の吸気口に近づけ、しっかりと吸い付くかを確認します。正常な状態であれば、ティッシュが換気扇に張り付き、手を離しても落ちることがありません。しかし、ティッシュが張り付かずに落ちてしまう場合は、性能が低下していると考えられます。※フィンがむき出しの場合はティッシュが吸い込まれないように注意して行ってください。フィルターの目詰まりや汚れの蓄積が原因の場合、掃除によって性能が回復することがあります。しかし、掃除後も改善が見られない場合はモーターの劣化が考えられ、修理や本体交換が必要となる可能性が高いでしょう。賃貸住宅の換気扇が故障したときの対処方法故障の疑いがある換気扇に対しては、段階的なアプローチが効果的です。まずは簡単な方法から試し、それでも解決しない場合には次のステップへ進むとよいでしょう。換気扇の掃除をする換気扇のトラブルは、掃除によって解消することがあります。作業は、必ずコンセントを抜いて、電源を落としてから行ないましょう。また、ゴム手袋を着用し、新聞紙は汚れが落ちても大丈夫なように換気扇の下に敷いて準備します。換気扇の各部品の掃除手順は、以下のとおりです<フィルターやファンなどの部品>フィルターやファンなどを慎重に取り外す40~45度のお湯に中性洗剤を溶かした液に各部品を浸し、30分放置する柔らかいスポンジやブラシで汚れを除去し、水でよく洗い流す完全に乾いたら、元の位置に正確に取り付ける<換気扇本体>本体内部の汚れは中性洗剤をつけたスポンジや布で拭き取るお湯に浸けて固く絞った布で水拭きする乾いた布で拭いて仕上げる換気扇本体の掃除では、電気部品に水分を付着させないように注意が必要です。油汚れがひどい換気扇を掃除するキッチンの換気扇に蓄積した油汚れは、通常の洗剤では除去が困難な場合があります。その場合は、重曹やセスキ炭酸ソーダなどのアルカリ性の洗剤を使うのがおすすめです。ここでは、重曹をペースト状にして使う方法と、アルカリ性洗剤につけ置きする方法をご紹介します。<重曹をペースト状にして使う方法>重曹3に対して水1の割合で練り、ペースト状にするペーストを汚れ部分に3mmほどの厚さで塗布し、15~30分ほど放置するペーストの色が茶色くなったら、スポンジや布で拭き取る<アルカリ性洗剤につけ置きする方法>40~50度のお湯を入れた大きなポリ袋に洗剤を入れ、取り外した部品を入れる袋を密封して1~2時間放置する汚れがゆるんできたら、スポンジなどでこすって落とす水で十分に洗い流し、乾いた布で水分を拭き取る部品の交換特定の部品のみが損傷している場合は、部品交換によって性能の回復が期待できるでしょう。ただし、賃貸住宅では管理会社やオーナーへの事前の連絡が必要になります。交換可能な一般的な部品には、フィルター、スイッチ、ファン、モーターなどがあります。機種名や型番を本体に貼られたシールや保証書などで確認し、メーカーの公式サイトや家電量販店のサイトで対応部品を検索します。型番が不明な場合は、写真を撮って店舗で相談するのも効果的です。賃貸住宅では、勝手な部品交換によってオーナーとのトラブルに発展するおそれがあるため、必ず事前に管理会社やオーナーへの相談を行ないましょう。換気扇のサビを落とす浴室のような湿度の高い環境に設置された換気扇は、経年とともに金属部分にサビが発生し動作不良の原因となるため、サビの進行度に応じた適切な対処が必要です。軽度のサビであれば、重曹やクエン酸を溶かした水につけ置きし、メラミンスポンジでこすると落ちるでしょう。重度のサビは、専用のサビ取り剤を使用してみてください。ただし、サビがモーターにまで進行している場合は、修理が必要な可能性があります。専門業者に依頼掃除や部品交換で解決しない場合や、電気系統に関わる修理が必要な場合は、専門業者に依頼したほうがよいでしょう。ただし、賃貸住宅の場合は、管理会社やオーナーが修理の手配をするのが基本です。そのため、まずは管理会社やオーナーへの連絡が必要になります。連絡時には、故障の症状や発生時期などを詳細に伝えましょう。緊急での修理が必要な場合は、入居者判断での業者手配も可能です。しかし、事後に費用負担についてトラブルに発展するおそれがあるため、可能な限り管理会社・オーナーへの連絡を試みるべきでしょう。業者を選定する際は、電気工事士資格の有無、換気扇交換の実績の豊富さ、料金体系の明確さ、作業保証の有無などを確認しましょう。賃貸住宅の換気扇が故障したら誰が費用負担をするのか?賃貸住宅における換気扇の修理・交換費用は、故障の原因や賃貸借契約の内容によって、誰が負担するかが決まります。故意・過失による故障は入居者負担入居者の故意や過失によって故障した場合の費用は、入居者の負担となります。例えば、掃除中に誤って部品を破損させた、誤った使用方法により故障した、日常的な清掃義務を怠った結果の機能停止などが該当します。賃貸住宅の設備について、入居者には一般的な清掃を行なう義務があります。月1回程度のフィルター清掃、表面的な汚れの除去、適切な使用方法の遵守などが含まれます。これらを怠った結果、油汚れやホコリが蓄積してモーター故障に至った場合は、入居者の責任となる可能性が高いといえます。寿命による故障はオーナー負担経年劣化による故障を修理した場合は、基本的にオーナーが費用を負担します。これは民法第606条の「賃貸住宅の設備を適切な状態で提供・維持する義務」に基づくものです。「賃貸住宅の換気扇が故障する原因とは?」の章で説明したように、換気扇の耐久年数は一般的に10年程度とされています。オーナーの費用負担となる具体例は、以下のとおりです。通常の使用下でのモーター故障部品の自然摩耗による動作不良製品不良による早期故障設置工事の不備による問題 など入居者が管理会社やオーナーと修理の費用負担について交渉する際は、故障状況の詳細な記録、適切な使用・清掃を行なっていた証拠などを準備しておくとスムーズでしょう。まとめ賃貸住宅の換気扇に不調が見られる場合は、まず状態をしっかりと確認し、可能な範囲で清掃しましょう。それでも改善しないようなら、管理会社やオーナーに速やかに連絡し、専門業者に修理や交換を依頼します。また、修理費用を誰が負担するかは、故障原因や契約内容によって決まります。入居者の責任範囲を正しく把握し、故障の際には適切な記録を残すことで、不当な費用請求を避けられるでしょう。賃貸住宅の入居者には、設備の一般的な清掃をする義務があります。怠ったために設備が故障すると、入居者が修理費用を負担することになるため、適切な使用方法を意識することが大切です。ぜひ本記事の内容を参考にして、快適な暮らし心地を維持してください。v