一人暮らしや引越しの準備を進めるなかで「この部屋のキッチン、ガスコンロは付いているの?」と疑問に思ったことはありませんか。賃貸住宅のガスコンロは、賃貸オーナーの所有する「設備」として最初から備え付けられているか、入居者が自分で用意することになります。どちらなのかを把握せずに入居してしまうと、引越し当日に困ることになりかねません。また、自分で購入する場合も、ガスの種類やサイズを間違えると使用できないため、事前の確認は必要です。本記事では、賃貸住宅のガスコンロの有無を確認する方法から、自分で購入・設置する際の選び方、設置手順、退去時の注意点まで解説します。引越しを控えている方やガスコンロの設置方法が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。賃貸住宅のガスコンロは最初から付いている?賃貸住宅には、ガスコンロが設備として最初から備え付けられているケースと、設置されていないケースがあります。設置の有無は賃貸住宅によって異なるため、不動産会社に直接確認するとよいでしょう。内見の機会があれば、現物をその場で確認しておくと安心です。設置されている場合は、それが賃貸オーナーの所有する「設備」なのか、前の入居者が残していった「残置物」なのかも確認しておくことをおすすめします。この区分によって、故障時の対応が大きく異なるためです。設備であれば、通常の使用による故障については原則として賃貸オーナーが修繕義務を負いますが、残置物の場合は入居者の自己負担になることがあります。なお、所有区分に関わらず、契約内容に別途取り決めがある場合はその内容が優先されるため、契約時に併せて確認しておきましょう。賃貸住宅の入居時、自分でガスコンロを購入・設置する場合の選び方ガスコンロがキッチンに備え付けられていない場合、入居者が自分で購入・設置することになります。ここでは、ガスコンロを選ぶ際に押さえておきたいポイントを確認していきましょう。1.ガスの種類を確認するはじめに、その住宅で使用するガスの種類を確認しましょう。家庭用ガスには「都市ガス」と「LPガス(プロパンガス)」があり、それぞれ専用のガスコンロが存在します。都市ガス用とLPガス用のコンロは見た目に違いがありませんが、内部構造やガス噴出口の仕様が異なるため、対応していない機種は使用できません。誤った種類を使うと正常に燃焼せず危険なため、必ず契約しているガスの種類を確認してから購入しましょう。 ガスの種類は、コンロ本体や電池ケースの中などに貼られているラベルで判断できます。「12A」「13A」と記載されていれば都市ガス用、「LPG」「LPガス用」と記載されていればLPガス用です。2.設置スペースのサイズを測るガスの種類が確認できたら、次は設置スペースの寸法を正確に測りましょう。据え置き型ガスコンロには、おもに「60cm幅(59〜60cm)」と「56cm幅」の2タイプがあります。設置可能なサイズは賃貸住宅によって異なるため、購入前に確認が必要です。測る際は、コンロ台の内寸(壁や縁の内側から内側まで)をまっすぐ計測します。奥行きや背面の壁との距離も併せて確認しておくとよいでしょう。また、メーカーが指定する「可燃物との離隔距離(壁との距離)」を確保できるかどうかも、重要な確認ポイントです。3.コンロの口数を選ぶガスコンロには1口〜3口のタイプがあるため、自分の生活スタイルや調理頻度に合わせて選びましょう。火が出る部分が1つの1口コンロは、コンパクトで価格が比較的安価なため、一人暮らしや調理頻度が低い方に向いています。2口コンロは同時に2品調理できるため、効率良く料理をしたい方におすすめです。3口コンロは調理効率が高く、機能も充実したものが多いため、ファミリー世帯や料理頻度が高い家庭に適しています。4.グリルの有無を選ぶガスコンロには、魚焼きグリル付きとグリルなしのタイプがあります。グリルがあると魚はもちろん、トーストやグラタンなどの調理にも使えるため、料理の幅が広がります。グリルには「水あり/水なし」「片面焼き/両面焼き」など種類があるので、作りたい料理に併せて選ぶとよいでしょう。一方、グリルをほとんど使わない方や掃除の手間を減らしたい方、コストを抑えたい方にとっては、グリルなしタイプも十分な選択肢になります。賃貸住宅でガスコンロの設置・交換は自分でできる?一般的に据え置き型(置き型)ガスコンロは、ガス栓の形状が適合していれば入居者自身で接続できます。ただし、ガスの開栓には基本的に立会いが必要です。また、接続方法によっては資格を持つ専門業者への依頼が必要になるため、事前に確認しておきましょう。一方、ビルトインガスコンロはガス配管工事をともなうため、原則として有資格者による施工が必要です。また、賃貸住宅では、賃貸オーナーの承諾なく勝手に交換することができません。ここでは、入居者が自分で行なえる置き型ガスコンロの設置方法について解説します。ホースエンドタイプの置き型ガスコンロ設置方法ホースエンドタイプは、ガスホースをガス栓の接続口にそのまま差し込む方式で、一般的には接続口の根元に赤い線があります。取り付けには、ガス用ゴム管(都市ガス用またはLPガス用のもの)とゴム管止め(バンド)が必要です。【一般的な接続手順】キッチンのガス栓とガスコンロ本体の接続口の距離を測り、無理なねじれや折れが生じない長さにゴム管をカットするゴム管をコンロ側・キッチン側それぞれの接続口に差し込むガス栓の赤いラインが隠れる位置まで確実に差し込み、ゴム管止めでしっかり固定するなお、上記は一般的な接続手順のため、必ず取扱説明書で正確な手順を確認してください。設置の際は、ホースが折れ曲がったり引っ張られたりしないようにすることが重要です。接続後はガス漏れの有無を確認し、不安な場合はガス会社に確認依頼をしましょう。コンセントタイプの置き型ガスコンロ設置方法コンセントタイプは、ゴム管ソケットを使用してガス栓に接続する方式です。設置には、ガス用ゴム管(都市ガス用またはLPガス用のもの)やガス用ゴム管ソケット(迅速継手)、ゴム管止めが必要になります。【一般的な接続手順】ガス栓とコンロ本体の距離を測り、適切な長さにゴム管をカットするゴム管に専用ソケットを確実に差し込んで固定する(※固定方法はメーカーによって異なるため、説明書を確認してください。製品によってはバンドなどの固定具を使用する場合があります)コンロ側は赤いラインが隠れる位置まで差し込み、バンドで固定するキッチン側のガス栓にソケットを「カチッ」と音がするまで差し込むなお、上記は一般的な接続手順です。こちらも、正確な手順については取扱説明書を確認してください。作業に不安がある場合は、無理をせずガス会社に依頼することをおすすめします。賃貸住宅のガスコンロはIHコンロに変更してもいい?賃貸住宅のガスコンロをIHコンロに変更したい場合は、事前に賃貸住宅管理会社(以下、管理会社)や賃貸オーナーに連絡して、変更が可能かどうかを確認しましょう。一般的な据え置きタイプのIHコンロでは200Vの電源を使用しますが、多くの賃貸住宅は100Vコンセントのみであり、その場合は電気工事が必要になります。また、ブレーカーの容量も50A以上を推奨するケースがあり、交換が必要になることがあります。コンセントやブレーカーなどの設備を変更する場合は、管理会社や賃貸オーナーの許可を得なければなりません。さらに、退去時には原状回復として、ガスコンロに戻すことを求められる場合があるでしょう。据え置きタイプ(200V)の設置が難しい場合は、100Vコンセントで使える据え置きタイプのIHコンロや卓上IHコンロを選ぶのも手段の一つです。賃貸住宅の退去時の注意点賃貸住宅を退去する際は、原状回復の原則に基づき、自分で購入・設置したガスコンロを撤去するのが一般的です。ここでは、退去時に確認しておきたいガスコンロの取り扱いと、おもな処分方法を紹介します。自分で購入したコンロは原則撤去する自分で購入したガスコンロは、原則として退去時に撤去する必要があります。備え付けの設備ではない私物を、そのまま置いていくことは基本的にできません。ガスコンロを取り外す際は、キッチン側のガスの元栓を閉めてからホースを外し、元栓にキャップがある場合は取り付けましょう。作業に不安がある場合は、管理会社やガス会社に相談することをおすすめします。ガスコンロのおもな処分方法撤去したガスコンロの処分方法には、おもに以下の4つが挙げられます。粗大ゴミとして自治体に回収してもらう購入した店舗に引き取ってもらうリサイクルショップに引き取りを依頼する管理会社や賃貸オーナーの許可を得て、次の入居者に譲渡するなお、自治体によってゴミの出し方は異なるため、粗大ゴミとして処分する場合は事前に確認しておくとスムーズです。賃貸住宅のガスコンロに関するよくある質問ここでは、賃貸住宅のガスコンロに関するQ&Aを紹介します。ガスコンロの購入や設置前に、知っておきたいポイントを確認しましょう。Q. ガスホースはガスコンロに付属している?A. 多くの場合、ガスホースはコンロ本体に付属していません。別途、ホームセンターやガス機器取扱店などで購入する必要があります。購入の際は、都市ガス用とLPガス用でホースの種類が異なる点に注意しましょう。ガス栓の形状(ホースエンド型・コンセント型など)によって必要な部材も変わるため、設置予定のキッチンのガス栓を事前に確認しておくことも重要です。Q. ガスコンロの強火側はどちら?A. ガスコンロには右側が強火のタイプと、左側が強火のタイプがあります。型式の末尾に「R」が付く製品は右強火、「L」が付く製品は左強火であることが一般的です。設置の際は、壁側に弱火バーナーがくるタイプを選ぶと安全性が高まります。購入時に確認しておきましょう。Q. ガスコンロを使う際に防熱板の設置は必要?A. ガスコンロの周囲に可燃性の壁(木材など)がある場合には、防熱板の設置が必要です。キッチンパネルなど不燃材料の場合は原則不要ですが、壁との距離が15cm未満の場合は焦げ付きや火災予防の観点から設置が推奨されます。設置条件は機種ごとに異なる場合もあるため、必ず取扱説明書で確認してください。まとめ賃貸住宅のガスコンロは、最初から設置されているとは限らないので、入居前に設置の有無を確認しましょう。設置されている場合は、設備なのか残置物なのかも確認しておくことが大切です。自分でコンロを用意する場合は、ガスの種類(都市ガス・LPガス)や設置スペースのサイズ、口数、グリルの有無などをしっかり確認し、生活スタイルに合うものを選びましょう。設置作業に不安がある場合は、ガス会社へ相談すると安心です。退去時には購入したコンロを撤去する必要があるため、処分方法も事前に考えておくとよいでしょう。v