近年、不動産業界において重要性が高まっている「賃貸住宅管理業」。日本最大級の不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」がこのテーマに着目し、賃貸住宅管理について広く発信するためのイベントが開催されました。本イベントは、LIFULL HOME'Sが主催・企画した「賃貸管理のプロに聞く!夏の賃貸トラブル相談室」です。お笑い芸人・見取り図のおふたりを迎えたクイズ&トークイベントとして開催され、日本賃貸住宅管理協会(以下、日管協)常務理事の榎和志も出演しました。不動産プラットフォームが「賃貸管理」にスポットを当てたことは、まさに今の時代における賃貸住宅管理業の価値の高さを証明しているといえます。本記事では「夏の賃貸トラブル、こんなときどうする」をテーマに当協会常務理事の榎がお伝えした内容を紹介するとともに、見取り図のおふたりとのトークを交えながら発信された、「賃貸住宅管理」の魅力や役割についても詳しくレポートします。【目次】猛暑日、エアコンをつけたがまったく冷えない。故障の可能性がある場合、入居者が『最初にすべきこと』は?日管協の調査では、夏場に向けて賃貸住宅のトラブルが増加傾向にあることがわかっています。原因は、カビや雨漏り、そして猛暑によるエアコンの故障です。見取り図の盛山さんは雨漏り、リリーさんはエアコンの効きが悪くなった経験があることを明かしました。おふたりの実体験からも、賃貸住宅で起こる身近な困りごとであることがうかがえます。日本列島の夏は気温にくわえて湿度も高く、「エアコンなしではとても生活できない」と感じている方も多いでしょう。夏場に賃貸住宅に設置されているエアコンが故障してしまったら、入居者としては、どのように対処するのが正しいのでしょうか。──入居者自身で修理や点検を行っても問題ないのでしょうか。榎:賃貸住宅の場合は、まずは落ち着いて管理会社や賃貸オーナーに連絡することが大切です。エアコンをはじめ、賃貸住宅に備え付けてある備品の所有者は、賃貸オーナーです。そのため、入居者自身で修理の依頼をするのは避けましょう。当協会常務理事の榎がお伝えしたとおり、賃貸住宅では、エアコンなどの設備を入居者が勝手に修理・点検しないことが重要です。賃貸住宅に備え付けられている設備は賃貸オーナーの所有物であり、経年劣化や猛暑などの影響、初期不良による不具合であれば、修理費用は基本的に賃貸オーナーが負担するのが一般的です。「エアコンの故障は自分で修理を依頼するもの」と考えて勝手に修理や点検などを行うと、修理費用が入居者負担になる可能性があります。故障に気付いた際は、まず管理会社や賃貸オーナーへ連絡し、対応を相談するとよいでしょう。──賃貸オーナーへ直接連絡してもよいのでしょうか。榎:近年は入居者と賃貸オーナーの間に、管理会社が入っていることがほとんどです。そのため、基本的には管理会社に連絡することになります。もちろん、管理会社が入っておらず、賃貸オーナーが直接管理を行っている賃貸住宅の場合は、賃貸オーナーに連絡してかまいません。管理会社とは、賃貸オーナー(大家・家主・貸主・賃貸人)に代わって、賃貸住宅の清掃や修繕、建物のメンテナンスを行うほか、家賃の集金・管理や賃貸借契約の更新・解約など、賃貸住宅の管理業務を代行する会社です。──管理会社へ連絡する前にしておくべきことはありますか。榎:エアコンの状態をよく確認し、症状を整理したうえで、品番とともにご連絡いただけるとスムーズな対応につながります。連絡の際に伝えるとよいのは、以下の3つのポイントです。不具合の内容(電源が入らない・異音がする・水が漏れてきたなど)いつから不具合が出ているか不具合の頻度(常に発生するのか・時々発生するのかなど)なお、エアコンの品番は、エアコン本体の下部や側面に記載されています。──ちなみに、温水洗浄便座などの設備を追加したい場合は、どこへ相談すればよいのでしょうか。榎:新たに設備を追加したい場合も、まずは管理会社や賃貸オーナーに相談してください。また、入居者自身が購入・設置した温水洗浄便座などを退去時に置いていきたい場合も、事前に相談が必要です。まず、温水洗浄便座などの設備を追加したい場合は、事前に管理会社や賃貸オーナーへ相談することが大切です。賃貸住宅に備え付けられている設備は賃貸オーナーの所有物のため、入居者が勝手に設置したり、既存の設備に手を加えたりすることはできません。見取り図の盛山さんも、賃貸住宅に自身で温水洗浄便座を設置した経験があり、退去時に置いていこうとしたところ、管理会社から断られたことがあったとお話しされていました。賃貸住宅では、退去時に「原状回復」を行う義務があります。そのため、いくら良かれと思って設置した設備であっても、退去時に相談なしで残すことはできません。設備を追加したい場合や、自分で設置した設備を残して退去したい場合は、事前に管理会社や賃貸オーナーへ相談しておきましょう。賃貸住宅の原状回復について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。賃貸住宅の「原状回復」とは?ガイドラインや入居者負担の範囲、注意点を解説夏の夜、窓を開けて涼んでいたら…隣の部屋から大音量で「やっぱ好きやねん」を歌う歌声が!トラブルを避ける対処法は?賃貸住宅に住んでいると、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。苦情を伝えたいと思っても、直接伝えるのはなかなか難しい……。そんなときは、どのように対処するのがよいのでしょうか。──騒音については管理会社へ相談してもよいのでしょうか。榎:管理会社に相談してください。直接苦情を伝えると口論などに発展し、事態が悪化することもあります。騒音など気になることがある場合は、管理会社を通して対応してもらうことが望ましいでしょう。賃貸住宅では、騒音をはじめとした入居者同士のマナーに関する困りごとは珍しくありません。国土交通省の「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」をみると、マンションで発生したトラブルのなかで最も多いのは「居住者間のマナー(60.5%)」となっています。騒音など気になることがある場合は、当事者同士で対応するのではなく、第三者である管理会社に相談することが大切です。状況を客観的に確認したうえで対応してもらえるため、円滑な解決につながりやすいでしょう。参考:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」──相談する前に確認しておくべきことはありますか。榎:どのような状況か、詳しくまとめてから連絡をいただけると、スムーズな対応につながります。例えば、いつ頃・どのような騒音が・どのように響いているか、などです。「騒音があった」という申告だけでは、状況を正確に把握できない可能性があります。そこで、管理会社が公平に対応するためにも、できるだけ詳細な状況を説明することが有効です。中立の立場で対応してくれる管理会社は、入居者にとっても賃貸オーナーにとっても心強い存在といえるでしょう。──家賃の支払いや生活上の困りごとなど、管理会社にはどこまで相談できるのでしょうか。榎:賃貸住宅や設備に関する困りごとであれば、まずは管理会社へ相談してみましょう。もちろん、自分でできる工夫をすることも大切です。賃貸住宅管理業は、入居者と賃貸オーナーの間に立ち、建物のメンテナンスやトラブル解決を専門に行う“住まいのコンシェルジュ”のような役割を担っています。エアコンの故障をはじめ、雨漏りや給湯器からお湯が出ないといった水回りのトラブル、換気扇の破損、新たに設備を設置したい場合など、生活上の困りごとを幅広く相談できます。また、「家賃の支払いが厳しい」といった悩みについても、状況に応じて相談先の案内や対応を検討してもらえる場合があります。今回のイベントでは、「困りごとを一人で抱え込まず、まずは賃貸住宅管理の専門家へ相談してほしい」というメッセージが伝えられました。住まいに関する困りごとが生じた際は、一人で悩まず、まずは管理会社へ相談してみてください。見取り図のおふたりも、何かあったときは管理会社に相談するという考え方はシンプルでわかりやすいと話し、普段から管理会社に助けられていることを振り返っていました。また、困ったことがあればプロに頼りたいという思いも語り、専門家へ相談する大切さに共感されていました。なお、住まいの困りごとへの対処法は、「みんなの賃貸管理ちゃんねる」でもショート動画でわかりやすく紹介しています。日頃から役立つ情報を発信しているため、ぜひあわせてご覧ください。v